最近読んだワインの本。
書店に並ぶワイン関連の本は、だいたいどれも同じようなことが説明してあってつまらない。ちょっと他と違う切り口の2冊をピックアップ。
『ワインの噓』(宮嶋勲/大和書房/2021年)
ワインジャーナリストによる、肩の力を抜いてワインに親しもうというコンセプトの本。
よかった点
・小難しいこと考えずに自由に自己流で楽しもう! という基本的な考え方に共感。「自分が惹かれるワインが最高のワイン」には勇気づけられる。
・テロワールの話、価格の話、昔のワインの話、その国で流行りのワインが国の盛衰を映しているかもという話、後半は品種のことなどが分かりやすく書かれていて面白く読めた。
いまいちだった点
・「知識を振りかざす人」を目の敵にしすぎでは。分からなくはないが「単細胞」とまで言わなくても…。
・たとえ話が多すぎる。「スポーツでは何々である、ワインも同じで~」のような言い回しが見開きで1回登場してそうな多さ。しかもそのたとえ話が特に面白くも目新しくもない。表現に幅が欲しい…。
『ワイン迷子のための家飲みガイド』(安齋喜美子/集英社/2021年)
こちらもジャーナリストによる、「ワイン迷子」(ワイン売り場で、何を買えばいいか分からずウロウロ迷っている人)のための本。自分はワイン迷子はようやく脱したと思うけど(むしろ積極的に迷い込むのが好き)、「家飲み」というキーワードに惹かれて。
よかった点
・家飲みサイコ~! というスタンス。
・著者が日常的にワインを楽しんでいる感じ、日々の生活にワインが寄り添っている感じが伝わってきて、読んでいると飲みたくなる。
・ペアリング例が参考になった。
いまいちだった点
・文章がこなれていない。
・縦組みに横組みが割り込んできて戸惑う。
・各品種を女性にたとえるコーナーはあまり腑に落ちなかった。
このようなちょっとした読み物でワインへの興味を刺激しつつ、気になったところは教科書的な本(↓)にあたって調べていくのが最近の勉強(?)法。ワインの世界は果てしなく広く深いけど、楽しみながら一歩ずつ。