ボードゲーム『マンダラ(MANDALA)』紹介
この11月にホビージャパンから日本語版が発売される2人対戦ボードゲーム『マンダラ』。(2019年11月、発売済み)
ひと足先に英語版を手に入れたので、簡単に紹介します。
テーマはタイトルの通り「曼荼羅」(砂曼荼羅)。緻密で美しい砂絵を描き、完成後すぐにそれを壊して川に流すという、諸行無常を表すチベット仏教の儀礼のひとつ。
本ゲームでは曼荼羅の美しさに加え「完成後に壊して川に流す」という部分がうまく再現されていると感じました。しかしテーマに反してプレイヤーの欲は丸出しになります。
※日本語版とは用語が異なります/細かなルールは実際の説明書で確認してください。また、ルールの正確さは保証しません/ちゃんと校正してないのでおおらかに読んでくださると嬉しいです。
内容物
・プレイマット:1枚(布製、約50×70cm)
・砂絵カード:108枚(6色×18枚)
・サマリーカード:2枚
ゲームの目的と勝利条件
砂絵カードを、できるだけ多くの色・多くの枚数獲得すること。
ゲーム終了時に、獲得している砂絵カードによって得られる得点の高い方が勝ち。
簡単にどんなゲームか
プレイマットには円形のマンダラが左右2つ描かれており、各マンダラはそれぞれ3つのエリアで構成されている。
A:Mountain
B:個人フィールド(手前プレイヤー用)
C:個人フィールド(対面プレイヤー用)
両プレイヤーは交互に、手札の砂絵カードを左右どちらかのマンダラの中央の「Mountain」か、自分のフィールドに出していく。
いずれかのマンダラに全6色のカードが出揃うと、そのマンダラは「完成」となる。そして、その時点で「Mountain」に出ているすべてのカードを両プレイヤーで分けて獲得する(=「解体」)。
個人フィールドのカードは捨て札となり獲得できないが、個人フィールドにカードを多く出しているプレイヤーから、「Mountain」にある任意の1色をすべて獲得できる。
この「カードを交互に出す」→「マンダラが完成する」→「解体してカードを獲得する」という流れを終了条件が満たされるまで繰り返し、より高得点を目指す。
具体的なゲームの流れ
手番にできること
初期手札として砂絵カードが配られたあと、以下の3つのうち1つを、先手番から交互に実行する。
1:手札の砂絵カードを1枚だけ、どちらかのマンダラの「Mountain」に出す。その後、山札からカードを3枚引いて手札に加える(手札上限8枚)。
2:手札の砂絵カード1色を任意の枚数、どちらかのマンダラの自分のフィールドに出す。
3:手札の砂絵カード1色を選び、任意の枚数、捨て札にする。その後、山札から同数のカードを引いて手札に加える。
※カードの出し方の縛り※
1つのマンダラ内の2つのエリアに同じ色のカードは出せない。
例えば赤が「Mountain」にすでに出ていると、自分のフィールドに赤を出すことはできない。「Mountain」に追加する形で出すことはできる。
マンダラの完成
手番で「1」か「2」を行ったあと、いずれかのマンダラに砂絵カードが6色すべて出揃っていれば「マンダラの完成」となり、次の「マンダラの解体」(=砂絵カード獲得フェイズ)へ移る。
マンダラの解体
完成したマンダラの自分のフィールドにより多く砂絵カードを出しているプレイヤーから順に、交互に「マンダラの解体」(=砂絵カードの獲得)を行う。
※ただし、自分のフィールドに1枚もカードを出していないプレイヤーは、一切獲得することができない。また、両プレイヤーの出しているカード枚数が同じ場合は、マンダラを完成させた方“ではない”プレイヤーから順に解体を行う。
↓ 全6色出揃った「マンダラの完成」状態。この場合、5対3で手前プレイヤーのフィールドの枚数が多いので、手前プレイヤーから「マンダラの解体」を行う
「マンダラの解体」では以下の手順でカードを獲得する。
・完成したマンダラの「Mountain」に出ている砂絵カードのうち1色を選び、すべて獲得する。(上の写真では、黄色2枚か、黒2枚か、オレンジ3枚を選んで獲得)
→その色がまだ自分の獲得したことのない色の場合、うち1枚を自分の「川」エリアに表向きにして左詰めで置き、残りは「カップ」に伏せて置く。
→その色がすでに自分が獲得している色の場合、すべて「カップ」に伏せて置く。
↓ 獲得したカードを置くスペース(1~6の「川」と、「カップ」)
↓ このような状態で手前プレイヤーが「黄色2枚」の獲得を選択した場合、
↓ 黄色は自分の「川」にまだない(=獲得していない)ので1枚を左詰めで「川」に置き、残りは右の「カップ」に伏せて置く。「黒の2枚」を選択した場合、黒はすでに「川」にあるので、すべてカップに伏せて置く。
1人が1色選んで獲得したら、次はもう1人が1色選んで獲得…というのを「Mountain」からカードがすべてなくなるまで交互に繰り返す。各自のフィールドに出した砂絵カードはすべて捨て札にし、マンダラは無の状態に戻る。
「マンダラの解体」が終わってもまだ終了条件を満たしていない場合は、引き続き手番にできることに従って手番を繰り返す。
↓ 無の状態になったマンダラ。
終了条件
以下のどちらか。
・山札がなくなる
・いずれかのプレイヤーが6色目の砂絵カードを「川」に並べる
得点計算方法
まず自分の「カップ」に伏せられているカードをすべてオープンし、「川」エリアに置かれている同色のカードの下に並べる。
そして「川」エリアの一番左から順に計算を行う。
1番左は「カップからオープンした枚数×1点」
2番目は「カップからオープンした枚数×2点」
3番目は「カップからオープンした枚数×3点」
4番目は「カップからオープンした枚数×4点」
5番目は「カップからオープンした枚数×5点」
6番目は「カップからオープンした枚数×6点」
これらを合計して、得点の高いプレイヤーの勝利。
※写真の得点例(黒:1枚×1点=1点/緑:5枚×2点=10点/赤:1枚×3点=3点/紫:1枚×4点=4点/オレンジ:4枚×5点=20点)合計:38点
面白い点
・マンダラを作る→壊す→川へ、という流れが再現されている。
・自分で獲得したいがために「Mountain」に出したカードは、相手に獲得されてしまう可能性もあること。
・「Mountain」のカードを獲得するために、自分のフィールドに出すカードを犠牲にしなければならないところ。「この色を捨てたくはないけど Mountain のこの色は欲しい」というジレンマ。
・各色を1つのエリアにしか出せない縛り。それによって相手に取らせたくないカードをコントロールする戦略が採れる。
・色を獲得する順番によって得点が変わってくる(後半の方が高得点)ので、手札の状況を見極めつつ、どの色をいつどこに出していくか、いつマンダラを完成させるかの選択の悩ましさ。
・色を揃えるだけでは得点は伸びない。「川」に色を揃えた上で、「カップ」にも蓄えていかないといけない難しさ。
・「川」に6色目を並べてゲームを終わらせるか、もっと長引かせてカップにカードを蓄えるかというタイミングの駆け引き。
気になった点
・カードの引き運でどうにもならないことがある。
・箱にプレイマットを片付けていると結構折り目が付いてしまう。
(2019/10/20時点)
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以上、ちょっと煩雑になってしまったけど『マンダラ(MANDALA)』のご紹介でした。
最善手を探ろうとするとなかなか難しく奥が深いけれど、サクッと流れるようにもプレイできるゲームです。とてもよく出来ていると思いました。