「すごろくや」から日本語版が発売になった、ライナー・クニツィア作の『カルテル』を2人で何回か対戦しましたので、ざっくりとその紹介と感想を書きたいと思います。
簡単にどんなゲームか
刑事となって、7組あるマフィアのうち、どの組のボスと構成員(子分)を捕まえるか、もしくはどの組から賄賂を受け取るかを選択していくゲーム。
手番でやること
サイコロを振り、出目の数以内の任意の歩数、共通の刑事コマを動かして、止まった場所のタイルを取る。 …それだけ。(さすが簡単!)
↑ ゲーム開始時の状態
・タイルは7色(=マフィア7組)あって、各色ごとにボス1人とその子分達、そして賄賂のタイルがある
・止まった場所のタイルは、子分または賄賂なら自分の手元に。ボスなら牢屋へ放り込む。全7人のボスのうち5人が牢屋に放り込まれるとゲーム終了
↑ こうなるとゲーム終了
勝敗
・牢屋に入ったボスと同色の子分を取っていると(=捕まえていると)その子分の数だけプラス点に、牢屋に入らなかったボスと同色の子分を捕まえているとマイナス点になる(つまり、子分だけを捕まえても良いことはない)
・その逆に、牢屋内のボスと同色の賄賂は0点、牢屋外のボスと同色の賄賂はプラス点になる(つまり、賄賂をもらったボスを泳がせたままにしておくとプラス)
・合計得点の高い人が勝ち!
楽しいポイント
・どのマフィアのボスと子分を捕まえるか、そして相手に捕まえさせないか。反対に、どのマフィアを自分は捕まえず、相手に捕まえさせるか、という駆け引き
・その駆け引きが程良くサイコロ運に左右され、一喜一憂
・最終的に捕まるボスは7人中5人。絶対に捕まらないボスが2人いる。各ボスの位置や子分の位置、サイコロの出目と相手の取ったタイルを考えつつ、捕まえられる5人と捕まらない2人を状況に応じて判断していく「読み」の面白さ
・自分と他のプレイヤーの得点状況を鑑み、5人目を捕まえてゲームを終わらせるタイミング
・出目によってはマイナス点にしかならないタイルを取らざるを得ない刑事のダメっぷり
・悪者を捕まえられるのに平然と素通りしていく刑事の背中
・ユニークなパッケージデザイン
・タイルが分厚く頑丈で、触って心地良い
ちょっと気になったポイント
・タイルを円形に並べようとすると、そこそこのスペースが必要
・セッティングの手間の割にゲームはすぐに終わる。2人だと15分かからないくらいで、やや軽すぎる印象。あとほんの少しだけじっくり遊びたい
以上、この作者らしい、シンプルな中に悩ましさの利いたゲームでした。
3人〜6人でプレイしたら、また感想を書きたいと思います。(ルールは同じです)
6月28日追記
ちょっと不満点が出てきたので、オリジナルの2人用ルール(暫定)を考えてみました。
ご興味のある方は以下へどうぞ