ツール・ド・フランス2020 第11・12・13・14・15ステージのメモ
第11ステージはラストの直線が1.5キロもあるスプリントステージ。
各チームのトレインがしのぎを削る緊張のスプリントは、ファン・アールト、サム・ベネット、カレブ・ユアン、そしてサガンの横並びの一騎打ち! これは凄かった。
…しかしレース後、サガンがファン・アールトに接触した危険行為によって降格。グリーンジャージ争いでベネットに差をつけられてしまう。
それにしてもこのメンツに対抗できるファン・アールトやばし。「脚質=ファン・アールト」も納得…。
第12ステージは今大会最長となる218キロで、細かな起伏のあるワンデーレースのようなステージ。
残り40キロの3級山岳で数人がアタックし、その中にいたのは第2・第9ステージで2着・3着とあと一歩の走りが続くヒルシ。
残り28キロ地点で単独で抜け出すと、見事なダウンヒルを披露して独走態勢。
後ろからアラフィリップらも追うが、なかなかうまく回らない。追走の中にヒルシと同じサンウェブのメンバーが入っているのが非常に利いている。サンウェブのチーム力!
タイム差は縮まるどころか徐々に広がり、そのままヒルシが独走勝利バンザイ!
勇気と感動と言えば陳腐かもしれないけど、まさにそんな言葉がピッタリのツール初勝利だったように思う。
惜敗続きから今大会中に勝ってしまうなんて、本当に凄いし尊敬する。
面白い選手が現れてくれて嬉しい。しかもスイスから。
第13ステージは中央山塊。獲得標高4400メートルにして山頂フィニッシュの山岳ステージ。
終盤、ボーラのシャフマン、ケムナとEFのダニエル・マルティネスの闘いに。まずシャフマンが脱落し、最後はマルティネスが脚の違いを見せて勝利!
総合争いはポガチャルのアタックにログリッチだけがついていき、その他からタイムを稼いでフィニッシュ。
モレマさんは無念の落車リタイア。同じく落車で脳震盪を起こしてしまったバルデも、このステージ終了後にリタイア。
第14ステージは終盤に4級山岳が2つあって、アタック合戦必至のパンチャー向きのステージ。
前半の2級でボーラがまたしてもペースアップし、スプリンターたちをふるい落としにかかる。
大方の予想通り最後は激しいアタックが繰り広げられる。サガンやアラフィリップ、そしてまたもやヒルシです!
びっくりするのが、先頭付近にサンウェブのメンバーがゴロゴロいること。まさに波状攻撃と呼べるアタックを繰り出すサンウェブは、追走集団のコントロールも抜群にうまくて他チームとは一線を画すチームワーク。全員の力が等しくハイレベル。
そしてサンウェブ最後の矢、クラーウアナスンの独走勝利によって、絵に描いたような、漫画のような展開のレースに幕。
サンウェブは今大会を最も盛り上げているチームかもしれないね。
サガン(4位)はこのステージは取りたかったところ…。
↓ ここからジュラ山脈方面へ、ということでジュラの白ワインをお供に観戦。
第15ステージは超級グラン・コロンビエ峠の山頂フィニッシュ!
途中、イギータがドゥクーニンクの選手に引っかけられて(?)落車してリタイア。これはかわいそう。
コロンビエ峠ではユンボが圧倒的なチーム力で牽引。なぜかファン・アールト青年はここでもグイグイ引いていき、まさかのキンタナ&ベルナルが脱落。
見ているだけでもしんどい最後の上りはまずアダム・イェーツがアタックするも吸収される。そして残り数百メートルでリッチー・ポートがアタック。それについていくのはポガチャルとログリッチのみ。先に仕掛けたリッチーが力尽き、ポガチャルとログリッチの一騎打ちは、ポガチャルが元気に駆け抜けて今大会2勝目! ログリッチは少し苦しそうに見えた。
ロペス、ランダ、ウランは数秒失ってゴール。キンタナは4分近く、ベルナルに至っては7分も遅れてしまい、総合争いから完全に脱落。
この時点で総合は、1位ログリッチ、2位ポガチャル(+40秒)、3位ウラン(+1分34秒)、4位ロペス(+1分45秒)、以下イェーツ、ポート、ランダ、マスまでが5分以内。
ここまでの誰かで決まるだろうけど、まぁログリッチかポガチャルに絞られたような感じはある。
そして今日は休息日。2度目のPCR検査が行われる日だけど、無事にクリアできるのか…。
明日から3週目、パリ・シャンゼリゼまで何事もなく行ってほしい!!
ちなみに中継中に永田さんが何度も観客のノーマスク、顎マスクのことを言っていたけど、選手を心配する気持ちが表れていて、優しい人だなと思った。