先日、ツイッターの機能を使ったアンケートに、たくさんのご回答をいただきました。
その結果が面白いなーと思ったので、軽く感想など。
(※以下すべて個人の経験に基づく個人的な見方であり、何が正しいとかどれが良いとかを判断したり決めたりするものではありません。また、刊行物の性質、メディアによっても違ってくると思います)
校正からのアンケートその2。
— d🐽d🐽(ドド) (@dodo8o) July 25, 2020
以下の3つのうち、黙読して最も自然なのはどの文ですか?
①議員が出てくるのを待って直接、嘆願書を渡した。
②議員が出てくるのを待って、直接嘆願書を渡した。
③議員が出てくるのを待って、直接、嘆願書を渡した。
アンケートは、同じ意味の3つの文章で、読点をどこに打ったものが自然かを問うもの。
①議員が出てくるのを待って直接、嘆願書を渡した。
②議員が出てくるのを待って、直接嘆願書を渡した。
③議員が出てくるのを待って、直接、嘆願書を渡した。
アンケートの結果は、②>③>① でした。
「議員が出てくるのを待って、直接嘆願書を渡した」が断トツで一位(66.1%)、
次いで「議員が出てくるのを待って、直接、嘆願書を渡した」(23.2%)、
最も不人気だったのが「議員が出てくるのを待って直接、嘆願書を渡した」(10.7%)でした。
自分の予想では③>②>①かなと思っていたけれど、②が圧倒的でしたね。
理由を勝手に想像すると、
①は「待って直接」と続くのがやや違和感あり?
②は文字通り「直接」「嘆願書を渡す」のだから、くっついているのが自然?
③は「待って」と「直接」は離れているけれど、文が2カ所で途切れてしまうのがイマイチ?
で、この3つを校正視点で見てみるとどうだろう。
結果と比べて興味深かったのは、校正者的にツッコミを入れづらい順に並べると③>①=② かなということ。
アンケートでは支持率23%だった③が、最も手を出しづらい文に思えます。確かにやや途切れ気味だけど、問題なく読めて誤解の恐れがない。
①は前述した通り、「待って直接」と続くことに違和感を持つ校正者がそこそこいる印象。
そして一番人気だった②は、漢字が連続することによる読みづらさを嫌って、「直接」と「嘆願書」を読点で区切る指摘を入れてくる人がたまにいるような気がします。(あと重箱の隅をつつくようだけど、この文だと「直接嘆願書」という名称の嘆願書があるように読めなくもない)
次に、自分が実際に原稿(著者・ライターさんが書いてきたもの)で目にしたことのある数が多い順でいうと、①=③>② かな? という気がしました。
校正者と同じく、物を書く人に、②のような漢字の連続を嫌う人って実は多い…という印象があるのだけれど、どうでしょう。
だからなのか、アンケートで最下位だった①は実は原稿段階ではかなり見かけるもので、このあたり、今回どういう方々が回答してくださったのかは分からないけれど、違いがとても興味深かったです。
②はもっと嫌われると思っていたのに実は一番人気ということを知れて、大変有意義(←漢字の連続)なアンケートになりました。
ポチッと参加してくださった皆さま、ありがとうございました。
読点って、面白いですよね…!
ちなみに、「議員が出てくるのを待って、嘆願書を直接渡した 」とするとすべての違和感をクリアできるとは思うけれど、選択肢の3つと比べると、「直接」のニュアンスが若干弱まるかなぁと個人的には思いました。
最後に、私自身が①②③それぞれの文にゲラで遭遇した場合は、どれにも手は出しません。ということを主張して終わりにしたいと思います。
モイモイ!