テラフォーミング・マーズ全5拡張の紹介と感想(2人プレイ編)
『テラフォーミング・マーズ』の全拡張が我が家に揃って約1カ月。
5つの拡張の組み合わせで、テラフォ・ワールドがさらに深くなりました。
2人で全組み合わせをひと通り遊んだので、今回は簡単な紹介とともに、圧倒的に負け越しているプレイヤー視点かつ超個人的な見方で感想をまとめてみました。
間違いがあったらスミマセン。話半分にお読みください。
ヘラス&エリシウム
無いと寂しい拡張!
稼働率:★★★★☆(4.5/5)
まずはマップ拡張の「ヘラス&エリシウム」。両面仕様のマップが1枚入ってます。
↓ 片面が「ヘラス」で、
↓ もう片面が「エリシウム」。
火星上の海洋タイル置き場や配置ボーナスが基本マップと異なることに加え、一番大きなポイントは「称号」と「褒賞」がまるっと全部変更になっている点。
↓ ヘラスの称号は「タグを8種類プレイ」「プレイ条件付きカードを5枚プレイ」「火星の南側2列にタイルを3枚配置」「電力産出が6以上」「木星タグを3枚プレイ」
↓ 褒賞は「緑地タイルの配置枚数」「緑色のカードのプレイ枚数」「プレイした宇宙タグの数」「カードに載っている資源の数」「プレイした建物タグの数」
↓ エリシウムの称号は「すべての産出量を+1以上」「いずれかの産出量が10以上」「植物・動物・微生物タグを合計4つプレイ」「緑と青のカードを15枚プレイ」「イベントカードを5枚プレイ」
↓ 褒賞は「コスト20以上のカードのプレイ枚数」「建物と電力の資源の数」「南側4列に配置したタイルの枚数」「海洋に隣接したタイルの配置枚数」「TRの高さ」
これだけのバリエーションがあるとかなりプレイに変化が出て飽きない。
しかもなんの準備もいらず手っ取り早く気分転換できる拡張なので、とても気に入っている。
ちなみに自分が好きなのはヘラス。称号争いがいつも熱くて。
エリシウムの方はタイル配置系の褒賞が2つあるのが厄介で、ゲーム終盤に金にモノを言わせた醜い争いが起きやすい傾向。
ボードゲームテラフォーミング・マーズ 拡張 ヘラス&エリシウム 完全日本語版 (Terraforming Mars : Hellas & Elysium)
プレリュード
気持ちいい拡張!
稼働率:★★★★★(5/5)
続いて「プレリュード」は、ゲーム開始時の能力にブーストをかける拡張。
↓ のようなプレリュード・カードが35枚入っており、各プレイヤーは開始時に4枚配られ、そこから2枚選んで自分のものとする。
例えばいきなり海洋タイルを2枚配置(=TR+2)できたり、チタン産出+1・チタンの資源を4つ持って始められたりする。(タグが付いているのもあって便利)
ちょっと強い状態からスタートできるので、序盤からストレスなくいろんなことが出来て楽しい。
全35枚とバリエーションも豊富。企業や初期手札、マップとの相性を考えながら選んで、プレイの方向性を定めやすくなっている。
毎回、どのカードが来るかドキドキ。
↓ 他に企業カードも5枚入っており、個性的な企業が追加に。
↓ プロジェクト・カードは新規に7枚。こっちはオマケ程度かな。
我が家で今後、この拡張を入れずにプレイすることは2度とないと思う。そんな拡張。
ボードゲームテラフォーミング・マーズ拡張 プレリュード 完全日本語版 (Terraforming Mars: Prelude)
ヴィーナス・ネクスト
お金持ちになれる拡張!
稼働率:★★★(3/5)
次は「ヴィーナス・ネクスト」。その名の通り「金星」要素が追加され、金星ボードが入っている。
基本の「酸素濃度」や「気温」と同じように、金星のパラメーターを上げるとTRが+1される。ただし、終了条件には影響しない(金星を上げ切っていなくてもゲームは終了する)。
要素が追加になったことと、追加のプロジェクト・カード(下記)に強力なものが多い関係で、お金が貯まりやすくなっている。そしてそのぶん、手番に出来ることが増えて、プレイ時間が延びる。
あと、「浮遊体」という要素が増えたのも特徴的。これは簡単に言えば微生物みたいなもので、カード上に配置して得点になったりする。この浮遊体の処理にも少し時間がかかるかな。
その浮遊体のカードも含む新規のプロジェクト・カードは49枚。それらの印象は「ハイコストパフォーマンス」。
だからプレイするのが楽しいことは確かだけど、お金のせいで結構ユルくなり、長時間化のせいで少しダレる時もあるかな…。
あともうひとつ追加要素として、新たな「称号」と「褒賞」が1つずつ。称号は「カード上に浮遊体7個配置」、褒賞は「金星タグのプレイ枚数」。
これはちょっとした変化だけど楽しめます。
↓ 新規企業カードは5枚。こちらもそこそこ強力で、カッコイイのが多い印象。
なんだか全体的にカッコつけた拡張だなぁと思う。
ボードゲームテラフォーミング・マーズ 拡張 ヴィーナス・ネクスト 完全日本語版 (Terraforming Mars : Venus Next)
コロニーズ
世界観が広がる拡張!
稼働率:★★★☆(3.5/5)
お次は「コロニーズ」。これは一風変わってるけどうまく宇宙開発の世界観を広げた拡張。
↓ このような「天体タイル」が11枚と、
↓ 通商艦隊コマが入っている。
各プレイヤーは通商艦隊コマを持ち、アクションとして天体に飛んでいく(=交易する)ことができる。
そうするとその天体で産出される資源などを獲得できるっていう拡張。
また、各天体にコロニーを建設することも可能(下の写真の緑のプレイヤーマーカーがコロニー)。それにより、交易した時に得られる資源が増えたり、ボーナスをもらえたりする。
天体はゲーム毎に11枚ある中からランダムに「プレイヤー数+2枚(2人プレイの場合は例外的に5枚)」を使用。
ゲーム毎にお気に入りの天体を見つけて、有利になるようにうまく利用しよう! ワクワク! という拡張です。
他にも企業カードが5枚。
プロジェクト・カードが49枚追加になっており、この拡張1つで楽しみの幅が広がると思う。(※個人の見解です)
ボードゲームテラフォーミング・マーズ拡張 コロニーズ 完全日本語版 (Terraforming Mars: Colonies)
ターモイル(動乱)
めんどくさい拡張!
稼働率:★(1/5)
最後は難物拡張「ターモイル」。委員会という要素が加わる、聞くだけでめんどくさそうな拡張。
↓ この委員会ボードと、
↓ こちらの命題進行ボードの処理を毎ラウンド必ず行わなければならない。
↓ 委員会には6つの政党があって、それぞれ異なる効果がある。プレイヤーは任意の政党に自身の代議員を送り込み、その人数の多さ(=影響力の大きさ)によって党首になったりボーナスを得たりすることができる。
また、どの政党が与党になるかによって、全プレイヤーにラウンドを通して影響する政策が決まる。
↓ 政策タイル。与党になると発効する。
↓ 代議員はちゃんとネクタイをしている。こいつを望みの政党に送り込む。(一番下の灰色のコマは、法則に従って動く中立の代議員)
どの政党が自分にとって有利か、あるいは他者を妨害できるか、など、軽く政治参加気分が味わえる拡張。
…が、せっかく政治参加しても、実は受けられる恩恵はさほど大きくない。このへんが微妙なところで、上手な人は上手なのかもしれないけど、自分はもどかしく感じる。
そして命題進行ボードには、世界的命題カード(全31枚)を並べる。
各ラウンドの最後に、現在の世界的命題(ボード上の一番右のカード)の効果を解決する。
命題にはプラスの効果だけじゃなくマイナスの効果も結構あって、あー大変。
この世界的命題はラウンド毎に変わるんだけど、2つ先のラウンドの分までオープンされている。先のラウンドの命題の効果を見つつ、それを得る(or 回避する)ためにどう立ち回るかってのを考えながらやっていく。あー、政治って大変。
委員会と命題、この2つの処理を毎ラウンド行う。命題の解決、与党の判定と政策タイルの置き換え、ボーナスの解決、代議員の補充、命題カードの移動…。めっちゃ大変!
しかもご親切に、毎ラウンド全プレイヤー、TRがマイナス1される。だからお金がなかなか入ってこない。まさに大半が苦痛でしかない拡張。
ただし、じっくり腰を据えて、火星の未来でも語りながらプレイする分には、非常にやり応えのある拡張ではある。
↓ ちなみにこの拡張には、基本マップにある「TRが35」になったプレイヤーに与えられる『造星者』の称号を、「TR25でOKよ!」とする置き換えタイルが入っている。はいはい、ありがとさん。
↓ あとは企業カードが5枚。なんかこの企業カードもめんどくさく感じてくる…。
↓ プロジェクト・カードは16枚。委員会に関わるものが多く、プレイ条件を満たすのにも委員会への働きかけが必要だったりする。とことんやな。
…決して嫌いではないけど、覚悟のいる拡張がこの「ターモイル(動乱)」。「上級拡張」というのはダテじゃない。
ボードゲームテラフォーミング・マーズ上級拡張 動乱 完全日本語版 (Terraforming Mars: Turmoil)
最後に
以上、全5拡張の紹介と感想でした!
我が家で一番遊ぶのは、ヘラス+プレリュード。次いでそれにコロニーズかヴィーナス・ネクストを加える形。
各拡張の独自要素はもちろんのこと、追加されるプロジェクト・カードがバラエティに富んでいて、それだけでも十分に満足できる。
ターモイル(動乱)もたまにはやってみてもいいかな…とは思ってるけど。
ちなみに全拡張を入れて1度やってみたら、5時間くらいかかりました。
とても疲れるけどそれもまた楽し。ぜひ時間のある時に試してみてください。
タイトルに(2人プレイ編)と書いたけど、多人数プレイ編を書く予定は今のところありませんw