校正者の七つ道具 その三
前2回は書く道具でしたが、今回は「消しゴム」です。
校正者はとにかくゲラを前にして悩む生き物。
この指摘は本当に間違っていないか、自分が読めてないだけではないか、この書き方で伝わりやすいか、著者を不快にさせないか……こんなことを考えて、書いて消して、やっぱり書いてまた消して、というのを繰り返したりします。
なので、性能の良い消しゴムは欠かせません。
とはいえ、文房具屋さんで売っている消しゴムはだいたいどれも良質です。100均で手に入る消しゴムも悪くありません。消す時の力の入れ方も人それぞれですし、自分に合っていれば何でもいいですね。
~完~
としてもいいのですが、せっかくなので私の好みを。
- カスがまとまる
- 濃い鉛筆(アーテレーズカラー含む)もスッキリ消せる
- 割れにくい
特に重要視しているのはこの3点です。
今まで沢山の消しゴムを試しましたが、これらを高レベルで満たしている消しゴムは、以下の3つ。
・MONO ダストキャッチ(トンボ鉛筆)
その名の通り、消しカスがまとまりやすい。黒色だから、汚れが目立たない。
・オムニ 2B~6B用(PLUS Stationery)
濃い芯も色鉛筆もよく消える。柔らかく消せて、消しカスが出にくい。
13グラム/25グラムと、サイズが2種類あるのも便利です。
・FABER-CASTELL/ファーバーカステルDUST-FREE イレーサー 58 71 22
緑色のこれ、気に入っていたんだけど、最近はあまり見かけないな。
文房具好きに愛用者が多い印象。
Faber-Castell カステル9000番 イレーサー ダストフリー PVCフリー グリーン
- 出版社/メーカー: FABER-CASTELL
- メディア: ホーム&キッチン
- この商品を含むブログを見る
このような感じでしょうか。
この3つは、ガシガシと力を入れて消してもなかなか割れません。そこが一番気に入っています。
校正ゲラは著者の先生に見せるものですので、消し跡が残っていたり、消しカスがゲラに挟まっていたりするのはよくありません。
(わざと消し跡を少し残しておいて微妙な心理を伝えようとする、マニアックなテクニック*もあるにはありますが)
この3つならひとまず安心です。
いい消しゴムがあれば、書くことに集中できますね。
*間違いとは言えないし著者に指摘すべきではないかもしれない、けれど何だかやっぱり気になるから指摘したい、でも指摘したら気を悪くしたり「余計なことを」って思われたりするかな、それでもいちおう指摘するべきかな……あー悩む! …という時に、一度書いた鉛筆をちょっと雑目に消して、「指摘はしませんでしたが、気になって悩みましたよ」という痕跡を著者にアピールするテクニック。それに気づいて書き直してきてくれる大先生もいる。